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舌の機能の大切さ

先日、参加した口腔外科学会で、とても心に残る講演がありました。

舌切除後の機能回復に何ができるか
〜岡山 夢の会話プロジェクト〜

 

口腔外科では口腔のがんの手術をすることがあります。

口腔は大きく切除しても、直接生命に関わる臓器はないのですが、食べる、話す、そして容姿と人間の尊厳に大きく関わってきます。

がんの治療開始から社会復帰までを目指すことが、私たちの仕事であると考えると、がんの制御は当然のことながら、その機能回復がとても重要になります。それが、その後のQOL(クオリティ オブ ライフ)にそのまま関わってくるからです。

機能を考えた切除のデザインや再建手術は日々進歩していますが、人間の細やかな感覚や機能には到底及びません。
それでも、口腔外科と補綴科(義歯などを作る科)の連携で様々な努力が行われいています。

患者さんの術後の状態は様々で、どこの筋肉がどのくらい残っているのか、その残存筋の筋力を頼りに調整を行なっていくのですが、大変過酷で、患者さんも歯科医師もゴールが見えずに、力尽きてしてしまうことが多いのです。

そのような現状の中、2014年岡山大学病院で、口腔外科医である舌がん患者(故 小崎健一教授)の全面協力を得て、「夢の会話プロジェクト」が発足されました。

 

歯科医学的知識が高く、忍耐強い患者さんの努力によって、様々な構音補助装置の使用の際の質の高い意見や有益なフィードバックがあり、普遍性の高い構音補助システムが可能となり、「夢の会話プロジェクト外来」も開設されています。

患者さんが会話する感謝の動画に映る、その努力とこの仕事の素晴らしさを心から感じました。

世界的なメディアでの報道もあり、海外からの患者さんの依頼もあるようです!

間違いなく、小崎先生の細やかな指示や忍耐強さがなければ、成し得なかったシステムであり、多くの施設でこのような方法を検討して頂きたいという想いのこもった講演でした。

最後に小崎先生のインタビュー映像で、
「舌を使わないで済む動作はありません」
という言葉がとても心に響きました。

舌の機能はとても大事です。

お子様からお年寄りの方まで、舌の筋力が弱く、上手く機能していない方がとても多いです。

小児期においては、顎の発育に大きく関わってきますし、噛み合わせや口呼吸など、様々な障害の元になります。

高齢者の方には、食べたり、飲み込んだりする力に関わってきますので、しっかりと栄養を摂ること、誤嚥性肺炎を起こさないためにもとても重要になります。

舌を鍛えるのにとても簡単な方法があります!

あいうべ体操です。

あいうべ体操については、また次回ご紹介し

 

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