歯科医院が行う
食事指導・栄養療法
「なぜ歯医者さんが食事指導・栄養療法をするの?」そう思った方は、多いのではないでしょうか。
近年、栄養療法を取り入れた歯科医院は増加しています。現在のような対症療法(症状を取るだけの治療)ではなく、原因を探って、原因を治療するような予防医療(機能性医学)を行わなければ、真の健康は得られないのです。皆さんが、これから求める医療とは、一生入院せずに済む、薬を飲み続けなくて済むような医療ではないでしょうか?
そのために、歯科医院が出来ることは、歯や粘膜を健康に保ち、口腔機能を改善・維持するための食事指導・栄養療法です。歯の治療だけなく、栄養、運動、休養の保健的指導を含めた治療が重要だと考えています。
食事指導・栄養療法への
当院の取り組み
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01
食事指導
最近は軟らかい食事が多くなっています。そのような食事は、私たちの体を作ったり、調節したりする栄養素があまり入っていません。歯や歯周組織も栄養不足ではむし歯や歯周病になりやすくなります。必要に応じて、日々のお食事内容を確認させていただき、ご指導しています。
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02
咀嚼指導・
筋機能訓練軟らかい食事で、噛まない習慣がついてしまうと口腔周囲の筋肉や機能は衰えて、不正咬合、口呼吸、咀嚼力の低下、嚥下障害などを起こします。そしてこれによって、全身の衰え(フレイル)も招きます。また逆に軟らかいものでも強く咬合してしまう癖があり、歯や歯周組織を壊してしまうことがあります。そのため、正しい咀嚼の仕方や筋機能を身につけていただくことが必要です。
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03
サプリメントによる
補助療法の提案摂取カロリーは足りているのに栄養が足りず(エンプティカロリー)、体調が優れない“新型栄養失調”が増えています。食事で改善していくのが一番良いのですが、それでは間に合わない場合には医療用のサプリメントなどを補助的に使用し、栄養を整える提案もしています。
全身の健康と
栄養の結びつき
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口腔症状と全身症状の関係性
一つの生活習慣病は、次から次へと別の病気に繋がっていきます。このような考えを「メタボリックドミノ」と呼びます。メタボリックドミノの最初のキッカケとして、現在注目されているのがむし歯や歯周病です。お口は食事を摂取する際の咀嚼機能や心疾患・糖尿病などとも関係する口腔内細菌とも関係しています。
つまり、口腔環境を整えることでメタボリックドミノの発生を抑制できます。そのうえで、食べ過ぎ・運動不足などを改善すれば効果的に生活習慣病を予防することが可能です。 -
その症状、栄養が足りていないのかもしれません
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鉄欠乏
- 歯肉から出血する
- 知覚過敏症状がある
- 顎の関節に違和感や痛みがある
- 歯磨きや型取りの際に嘔吐感がある
- 食べ物が飲み込みにくいことがある
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タンパク欠乏
- 唾液量が少なく口が渇きやすい
- 肉や卵などはあまり食べない
- 野菜中心、あるいは和食中心である
- 舌が浮腫んでいてよく噛んでしまう
- 炭水化物を中心に食べている
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亜鉛欠乏
- 口臭が気になる
- 舌の粘膜が荒れやすい
- 味覚異常がある
- 舌がピリピリするなど異和感がある
- 食べ物が舌にしみる
- 皮膚にトラブルがある
- 臭覚に異常がある
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ビタミンB欠乏
- 口内炎が出来やすい
- アルコールをよく飲む
- 口角炎が出来やすい
- 舌に溝がある
- よく悪夢を見る
- 音に敏感である
- 眩しいのが苦手である
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世界が注目するビタミンD
ビタミンDは骨強化に関わる栄養素としてよく知られています。最近の研究報告では、免疫力アップ、インフルエンザの予防、生活習慣病の予防などの効果も発表されています。
動物性のビタミンD2はサケ、マグロやレバーなどから、植物性のビタミンD3はキノコ類などから摂取することができます。
食事指導・栄養療法の流れ
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Step01
食事・栄養カウンセリング
普段どんな食事を取っているのか?
どういった事に気をつけているのか?などをお伺いしながらカウンセリングを行います。 -
Step02
食事記録の作成
患者さんに3日間の食事記録を書いていただきます。
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Step03
食事記録の提出と指導
お口の中の状態と提出していただいた食事記録の分析を基に、栄養の偏りや食事内容の問題点などを説明します。
そして、どのように改善したら良いか、それぞれの患者さんの生活に合わせて指導していきます。