歯周病治療

歯周病とは

歯周病もむし歯と同じように、お口の中にいる細菌が起こす、細菌感染症です。
この細菌によって歯肉は炎症を起こし、赤く腫れ、ブラッシング時に出血したりします。症状が進行していくと、歯を支えている骨まで溶かし、歯肉から膿がでたり、歯がグラグラと揺れてきたりします。
歯周病は「静かな殺し屋」ともいわれ、初めは自覚症状がなく進行することが多いため、気づいたときには重症化し、抜歯しなければならないこともあります。
日本人では、20代でさえ約70%に何らかの歯周病の症状があると言われています。そして55歳以上では半数の人に重症化がみられます。誰でもかかる可能性が高い病気ですので、歯科医院でのチェックが大切になります。

歯周病治療への当院の取り組み

  • 01

    プラークコントロール
    を徹底

    歯周病治療の基本は原因となる歯垢(プラーク)や歯石を除去して健康を保つことです。そのための定期的な歯垢、歯石などの除去、栄養指導を提案し、歯周病の進行を抑えていきます。

    当院の歯周病治療
  • 02

    重度の症状には
    歯周外科にも対応

    歯周病は重症化した場合、歯を支える歯槽骨や歯周組織が失われ、いずれ歯を失う可能性があります。当院ではそういった症状に対して、外科手術を伴う高度な治療、歯周組織再生療法の提案を行っています。

  • 03

    痛みの少ない
    レーザー治療機器

    歯周病の治療には原因となる菌の除去が重要な課題となってきます。そこで自費診療となりますが、半導体レーザー機器を使用し、痛みの少なく安心で、効果の高い治療のご案内もいたします。

歯周病の原因

  • プラーク(歯垢)を
    つけさせないことが重要

    私たちのお口の中にはたくさんの細菌がバランスを保って棲んでいます。これらの細菌は、歯の周りで口の中に残った食べかすなどをエサにして、白いネバネバしたプラーク(歯垢)を作り出します。毎回のブラッシングでプラークがきちんと取れていれば問題はないのですが、磨き残しがあるとプラークはどんどん溜まって厚くなっていきます。そうすると空気がなくても生きていける菌が増え、空気が届きにくい歯と歯肉のすき間(歯肉溝)に入っていきます。そこは歯ブラシも届きにくいので、どんどん奥へと潜り込んで行き(歯周ポケット)、歯周病が進んで行くのです。

  • 歯周病の進行の度合い

    • 1.歯肉の炎症(歯肉炎)

    • 2.軽度歯周炎

    • 3.中度歯周炎

    • 4.重度歯周炎

歯周病の症状

  • 1歯肉の色

    健康な歯肉はごくうすいピンク色です。歯周病になるとピンク色が濃くなって、炎症が進むにつれ赤くなっていきます。

  • 2歯肉の腫れ

    健康な歯肉は引き締まって、ピーンと張ったような状態で歯と歯の間にシャープに入っていきます。歯周病になると歯と歯の間の歯肉は丸みを帯び、炎症がすすむと厚ぼったくなったり、ぶよぶよたるんで腫れてきます。

  • 3出血

    ブラッシング時に出血したり、硬いものを食べると出血したりします。

  • 4膿と口臭

    歯周病が進行すると、歯肉が腫れて膿をもちます。その膿や深い歯周ポケットの中の細菌は歯周病特有のイヤなニオイを発生し、口臭がしてきます。

  • 5歯の動揺と歯並びの変化

    歯周病が進んで、歯を支えている骨(歯槽骨)を壊していくと、歯がグラグラと動くようになり、すき間があいたり、逆に歯が重なったりするなど、歯並びが変わってくることもあります。

歯周病を悪化させる要因

  • お口の中の環境

    不適合な被せものなどがあると細菌が隠れやすく、さらに歯ブラシが届きにくくなります。歯並びが悪いと、歯磨きがしづらくなりプラークがたまりやすくなります。
    歯ぎしりや噛み締めによって、歯や歯周組織に負担がかかると歯周病が悪化しやすくなります。口呼吸があると、唾液が乾きやすくなり、お口の中の自浄作用が低下して菌の活動が活発になります。また口呼吸は、アレルギーになりやすく、免疫力も低下するため症状が進行します。

  • 全身の抵抗力、免疫力

    糖尿病などの全身疾患や妊娠中、更年期などホルモンの変動なども悪化の原因となることがあります。なお、生活習慣を改善することでそのリスクをかなり減らすことができます。

  • 生活習慣

    歯磨き習慣、喫煙、ストレス、栄養不足、過剰な糖質の摂取などの生活習慣は歯周病に影響します。特にタバコに含まれる有害物質は免疫機能や細胞の働きを阻害したり、血行を悪くしたりと歯周病の進行を早めます。歯を支える歯肉、歯根膜、歯槽骨はタンパク質、ミネラル、ビタミンでできており、十分な栄養が摂れていないと歯周病は悪化していきます。

歯周病と全身疾患の関係性

  • 近年、予防治療に対する意識が高い患者さんが増えてきています。なぜ、予防が大切なのでしょうか?もちろん、むし歯や歯周病などお口の中の健康を守るために予防は不可欠です。歯が健康で奥歯でしっかり噛め、美味しく食事ができて、十分な栄養がとれることは健康で寿命を全うするためにとても重要です。しかし、それだけではないのです。歯周病は全身の健康維持にも大きく関わっているのです。

  • なぜ、全身疾患へ
    影響するのか?

    お口の中は細菌が身体の中へ一番入りやすい環境です。もし、ブラッシングで歯肉から出血したとすると、その炎症物質が歯肉の血管から血液に入って、血流にのり全身へ運ばれていってしまうのです。そして、様々な臓器や血管壁にたどり着き、毒性を発揮して、全身疾患を悪化させるなどの悪影響を及ぼすのです。

歯周病が関連する様々な
病気があります

  • 糖尿病

    高血糖によって炎症が強まるため、歯周病は悪化しやすくなります。また、歯周病によって作られる物質がインスリンの働きを阻むため糖尿病を悪化させやすくなるという双方に悪影響を及ぼします。

  • 循環器疾患

    歯周病が重症化した人は、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、アテローム性動脈硬化症、感染性心内膜炎などが1.5 〜2.8倍発生しやすいと言われています。心臓の手術後や、弁膜症のある人は特に注意が必要です。

  • 骨粗鬆症

    閉経後の女性は女性ホルモンが減少し、骨量も少なくなります。歯槽骨も弱くなり、歯周病が悪化しやすくなります。

  • リウマチ

    歯周病と関節リウマチは同じ炎症性物質が関連しているので、お互いの病状に影響します。

  • 誤嚥性肺炎

    むせて唾液に混ざって歯周病菌が肺へ入ると肺炎(誤嚥性肺炎)を起こしたりします。免疫力の低い病気の方や高齢者ではそれで命を落とすことも珍しくありません。

  • 早産、低体重児の出産

    歯周病菌の炎症性物質が子宮を収縮させるため、早産、低体重児の出産の可能性が約3.5倍になります。

歯周病セルフチェックシート

  • こんなお悩みありませんか?

    • 朝起きた時、口の中がねばつく(1点)
    • 歯磨きすると、出血する(2点)
    • 歯と歯の間に食べ物がつまりやすい(1点)
    • 歯の隙間が広くなった(2点)
    • 歯並びが悪くなった気がする(1点)
    • 歯が長くなったように感じる(2点)
    • 歯肉がむずがゆい(1点)
    • 歯肉を押すと血や膿が出る(2点)
    • タバコを吸う(1点)
    • 歯がぐらつく(2点)
    • 歯科検診を1年以上受けていない(1点)
    • 口臭があると言われた(2点)
    • 歯肉が赤く腫れている(2点)
    • 冷たいものがしみる(2点)
    • 0点

      今のところ歯周病の危険性は低いです。今後共日々のケアを心掛けてください。

    • 1点

      歯周炎の可能性があるので、歯の磨き方を見直しましょう。

    • 2~6点

      歯周病の初期症状の可能性があります。放置すると進行する可能性があるので、歯科で検診しましょう。

    • 7~10点

      歯周病がかなり進行している可能性があります。すぐに歯科で治療しましょう。

    • 11点以上

      早期に治療しないと、全身の健康に影響を及ぼす可能性があります。

当院の歯周病治療

  • 歯周病治療で一番大切な事は、歯垢(プラーク)や歯石を除去して歯肉を健康な状態にコントロールすることです。軽度な歯周病なら自宅での歯磨き(ブラッシング)や歯科衛生士によるプラーク除去、歯石除去(スケーリング)で症状が改善されます。しかし、病状が進行して歯周ポケットが深くなっている場合、それらの治療だけではなく、歯周外科手術が必要になることがあります。
    前述したように、歯周病はお口の健康、全身の免疫力、生活習慣の相互作用で起こる病気です。その為、当院では、歯周治療だけではなく食事指導(栄養療法)も合わせてご提案させて頂きます。

    食事指導・栄養療法
  • ブラッシング指導と
    歯垢・歯石の除去

    歯科衛生士が、普段どのように歯磨きをしているのかをお伺いし、正しくない場合はやり方を指導させて頂きます。次に、歯科衛生士がスケーリングを行い、歯周病の原因となっている歯石を除去します。
    また、歯磨きで取れないバイオフィルムはエアフローという機械で除去することができます。定期的に行ってお口の中を清潔な状態にすることをお勧めしています。
  • 安心のレーザー機器–
    ペリオウェイブ

    ペリオウェイブは、一切の抗生物質を使用しないバイオジェルを歯周ポケットに注入し歯周病菌を染めて、痛みの少ないレーザー機器を用いて歯周病菌を殺菌する治療です。またインプラントの歯周予防にも効果的な治療です。ジェルを注入しレーザーを当てる治療のため、インプラント体を傷つける心配もありません。このペリオウェイブを行う場合は、塚原デンタルクリニックで行います。

    塚原デンタルクリニック
  • 重症化の場合は
    外科手術にも対応

    重度な歯周病の場合は外科的治療が必要となる場合があります。歯周ポケットがかなり深くなってしまい歯周組織が破壊されている場合は、歯石除去やペリオウェイブなどの歯周病治療を行っても、歯周ポケット内の汚れや細菌を除去しにくく、再発の可能性が高くなります。そのため歯肉を切開し歯根についた汚れを除去します。歯周病が進行していくと、細菌により歯槽骨が吸収して(溶けて)いきます。歯槽骨が吸収された場合は、失った歯槽骨を再生するため、歯周組織再生療法も行います。

診療前の注意点と料金表

診療前の注意点

  • 健康保険適用外のため、治療費が高くなる可能性があります
  • 歯科医院における処置だけではなく、セルフケアも必要となります
  • セルフケアの難しい歯並びの場合は、別途処置が必要になるケースがあります
  • 重度歯周病の場合は、治療期間が長期化する可能性があります
  • 歯石や汚れを取り除く際、手用スケーラーによる処置だけで完全な除去が難しいので、外科的処置が必要となる場合があります

料金について

歯周病治療の自費料金については以下のPDFをご覧ください。もし、ご不明点がありましたらスタッフまでご確認ください。

料金表

症例紹介

詳しく見る

定期的なメインテナンスで
歯周病の再発を防ぎましょう

歯が悪くなってから歯科医院に通うのではなく、メインテナンスのために定期的に来院することは重要です。
なぜなら、初期症状のむし歯や歯周病に気づきにくく、痛みを感じて来院した時には、症状がかなり進行しているケースが多いからです。つまり、何もトラブルのない時から、定期的に口腔内全体をチェックすることで、何か異常を発見してもむし歯や歯周病の早期治療につながります。
ご自身の歯を健康な状態に保つためにも、歯科医院でのメインテナンスとご自宅でのホームケアを続けていきましょう。

お口のメインテナンス
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