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メタルタトゥーご存じですか?

春と冬を行ったり来たり。

春の訪れを桜の開花と共に感じる季節となりました。

院長の塚原です。

新年度に向けて、新たな希望や目標を持たれている方もいらっしゃると思います。

口腔内の健診を希望される患者さんも多くなっています。

口腔内の診査を行っていると、虫歯や歯周病ではないのですが、気になることがあります。

冒頭の写真のように、銀歯が入っている周囲の歯肉が黒くなっていることがあります。

 

お口の中は食べ物や飲み物によって、酸性やアルカリ性になったり、またいろいろな金属が入ってることで唾液を介して微弱な電流(ガルバニー電流)が流れたりします。

 

このような過酷な環境で、お口の中に入っている非貴金属の被せ物や詰め物から金属イオンが溶け出し周囲の歯肉に沈着し、黒く変色してしまうことを「メタルタトゥー」といいます。

 

審美的に良くないだけでなく、金属アレルギーのリスクも高まります。

 

メタルタトゥーの場合には、必ず近くに金属の詰め物や冠が入っています。

 

 

治療にはまず原因となっている金属の冠や詰め物、土台などを外し、金属以外の材料で作りかえる必要があります。

歯科用金属には金合金のような口腔内で安定しており、メタルタトゥーや金属アレルギーのリスクが少ない金属もありますが、金属の様々なリスクを減らすためのは口腔内から金属をなくし、セラミックやジルコニアのような金属以外の材料で治療する「メタルフリー」という考え方もあります。

 

また、お口の中の粘膜が黒く変色するものには、いわゆるホクロのようなものから、喫煙者に多く見られるメラニン色素の沈着や悪性黒色腫のような悪性のものまで色々な病変がありますので、きちんと見極めることが大切です。

 

歯肉の黒ずみやシミ、変色など気になったら、歯科医院で診査してもらうことをお勧めいたします。