ブログ
健康長寿にお口の健康!お口のトラブルは虚弱のサイン
フレイル(虚弱)という言葉を聞いたことがありますか?
健常な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)の中間の状態として2014年に提唱された状態です。
2016年に閣議決定された
“ニッポン一億総活躍プラン”
の中でも、元気で豊かな老後を送れる健康寿命の延伸に向けた取組が示されており、
高齢化社会に向かう現在、とても重要な問題です。
このフレイルにお口の状態がとても関わっているのです!
フレイルには
身体的フレイル(筋肉の減少や骨や関節の衰え)
心理的、認知的フレイル(うつや認知機能の低下など)
社会的フレイル(閉じこもり、困窮、孤食など)
があります。
こんな症状はありませんか?
チェックしてみてください!
★歩く速さが遅くなった
★体重が減った
★口角が下がった
★口元のシワ、ほうれい線が深くなった
★食欲が減った
★口が乾く、ネバネバする
★飴やペットボトルの水を持ち歩いてある
★硬いものが噛みにくい、飲み込みにくい
★慌てて食べると食べこぼしたり、むせたりする
★味がしない
★滑舌が悪く会話が聞き取りにくいと言われた
★睡眠時無呼吸症候群と診断された
★疲れやすい
こんな症状があったら、
お口の衰え(オーラルフレイル)の可能性があります!
お口の中の衰えを放置すると、
噛めない → 柔らかいものを食べる → 噛む力が衰える → 噛めない
と悪循環を繰り返します。
そうすると、食欲の低下、栄養失調、筋力の低下、意欲の低下、行動力の低下、社会との関わりの低下に繋がっていくのです。
徐々に起こっていると、気づかないことも多く、歳だからしょうがないと思ってしまうこともあります。
でも、この口の衰えが死亡リスクを2倍にするということが東大などの研究チームの調査で分かっています。(約2000人の柏市の調査)
ご自身が気づきにくいことも、かかりつけの歯科医院で定期的にチェックしていれば、その変化を歯科医や歯科衛生士が気づくことがあります。
高齢者の方だけでなく、若い方でも食環境や生活習慣で、お口の周囲の筋力が低下していたり、思わぬ栄養失調になっていたりということがあります。
痛いところがなくても、少なくとも1年に1回は口腔内のチェックをされることをお勧めします。
気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
文中の図は「オーラルフレイル 今歯科医ができること」岩佐康行他、クインテッセンス vol35.No.8/2016より引用しました。