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教えて!!ドクターQ&A【Vol.15】
Q.この度、妊娠しました。歯科受診が億劫なのですが、妊娠中の口腔環境について気をつける事はありますか?
A.妊娠中の口腔内環境はご自身、そしてお腹の赤ちゃんにとっても、とても重要です。
妊娠するとホルモンのバランスが変化し、歯周病になりやすくなります。エストロゲンはある種の歯周病菌の増殖を促し、プロゲステロンは炎症の元であるプロスタグランジンを刺激します。
また、つわりで歯ブラシが十分にできないと歯周炎のリスクを更に挙げてしまいます。歯周病による炎症が血液を介して全身に影響し、歯周病に罹患している妊婦さんは早産、低体重児の出産リスクが約7倍に増えてしまうと言われています。これはアルコールやタバコ、高齢出産などより高いリスクです。加えて、つわりなどで食生活が乱れ、栄養不足になると歯周炎も治りづらくなります。
妊娠中に歯科治療が必要な場合は安定期(妊娠4ヶ月~7ヶ月)に行いますが、レントゲンや薬剤の使用に制限があります。
ブラッシングをしっかりとして、むし歯や歯周病を予防し、バランス良く栄養を取ることが大切です。
また赤ちゃんの乳歯と永久歯の多くは妊娠中に作られます。ご自身と赤ちゃんのためにも妊娠がわかったら、早く歯科医院で検診を受け、ご自身の口腔環境をチェックされることをお勧めします。