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こんにちは。歯科医師の江黒です。虫歯や根の治療などをする際に仮歯を入れることが多々あります。患者さんからすれば何が入ってるか？なんで入れなきゃならないのか？とよく分からないまま入れてる方もいらっしゃるのではないでしょうか。なので今回は仮歯とは何なのかという事をお話しさせて頂こうかと思います

～なんで仮歯が必要なのか～

仮歯が必要になる場面は大きく分けて５つあります。また仮歯を入れるときは歯の周りを一層削っている状態という事を前提として書きます

１：歯を一層削っているため神経に刺激が届きやすくなっています。仮歯を入れて温度の変化や歯ブラシが擦れる刺激で痛くならないよう歯のバリアとして使います

２：一回り歯が小さくなっているため被せものが完成するまで噛み合わせに参加できなくなります。仮歯を入れて治療箇所でも噛めるようにします。また噛み合わせの高さが狂うことを防ぎます

３：前歯などの場合1本だけサイズの小さな歯があるととても目立ちますし発音にも影響します。なので見た目や話しやすさを気にしなくていい様に仮歯を入れます

４：歯と歯は本来隙間なく並んでいます。一回り歯を小さく削る為長期的な目で見ると隣の歯や噛み合わせの歯、あるいは周囲歯肉の高さが変わってしまいます。最終的な被せものを入れる際周囲の歯とのスペースが狂わないように仮歯を入れます

５：最終的な被せものを作る前に仮歯にて形や噛み合わせ等のチェックを行い治療を進めるかどうかの判断材料となります

おわかりいただけましたか？では次に作り方の１つを簡単に説明いたします

～仮歯の一例～

 

まず患者さんの石膏模型を作り、仮歯を作る歯を一周削り少し小さくします

 

 

次にレジンと呼ばれる白い材料を削った歯の周りに押し込みます

 

 

 

 

余剰な部分を削って歯の形に整えたら完成です

 

 

いかがでしたか？たかが仮歯、されど仮歯。名前に仮と付いてますがとても重要な働きをしてる事をご理解頂けたかと思います。

仮歯は本歯に比べると強度も接着もやや弱いため時々外れたり割れたりします。その際は修理をしますのでどうか捨てずにお持ちください。また仮歯はあくまでも本歯までの一時的な物となりますので、仮歯状態で治療中断をしないよう気を付けてください。