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教えて!!ドクターQ&A【Vol.5】
Q.歯の根元の部分がしみたり、虫歯になりやすいのですがどうしてですか?
A.歯は口の中に見えている歯冠と骨の中に埋まっている歯根でできています。
歯冠はエナメル質という白く硬いバリアに覆われており、その内側は象牙質という少し黄色っぽい組織で、さらにその内側に神経と血管があります。しかし、歯根にはエナメル質がありません。歯周病で歯肉が下がったり、歯ぎしりなどで歯の根元の薄いエナメル質が欠けたりすると、象牙質が口の中に露出します。象牙質は象牙細管という細い管の集まりで、口の中と歯の神経をつないでいます。そこに冷たい物や擦過刺激が当たると管の中の組織液が動いて内部の神経を刺激します。また、糖度が高いものが触れると浸透圧が変わり神経を刺激します。いわゆる知覚過敏です。象牙質は軟らかいので、歯ブラシで強くこするとクサビのように削れてしまうため(楔状欠損)、神経に近くなり、さらにしみる様になります。また、象牙質は虫歯になりやすく、高齢者では唾液が少なく、プラークもながれにくくなるため、露出した歯根部に虫歯ができます。若い人でも口呼吸していると、口の中が乾燥して同じような状態を起こします。
治療法は象牙細管を封鎖する薬を塗ったり、被膜を作って刺激を遮断します。
よく噛んで食べることで唾液がよくでるようになり、虫歯になりにくくなります。また、鼻呼吸すること、おやつは時間を決めて、お砂糖のたくさん入った物は控えること、硬い歯ブラシで力強く磨かない事も大切です。正しいブラッシングの仕方は歯医者さんで教えてもらうといいでしょう。