ブログ
スポーツドリンクのはなし
こんにちは!歯科医師の松井です。
肌寒くなってきてシーズンは過ぎましたが、今回は日本小児歯科学会からのスポーツドリンクについての話をまとめようと思います。
歯科界では悪名高いスポーツドリンクですが、なぜでしょうか?
それは、虫歯を習慣的に作る原因になりうるからです。
『子供の虫歯は親の責任』という言葉もあり、基本的には子供は親が与える飲食物のせいで虫歯になってしまいます。
スポーツドリンクにはどのようなリスクがあるのでしょうか
【乳幼児の場合】
テレビCMなどの影響で、「スポーツドリンクは体にいい・体に優しい」と多くの保護者の方が思っており、汗をかいたときやお風呂上りなど喉が渇いた時に子供に積極的に飲ませる場合があります。
普通の食事をしている乳幼児にこれを与えると、電解質が多くなりかえって喉が渇いてしまうので、絶えずスポーツドリンクを飲みたがる状態になってしまいます。
スポーツドリンクには実はかなりの量の砂糖が入っており酸性度も高いので、お口の中に長い時間残留していると酸蝕症(歯が酸で溶ける)や虫歯を引き起こします。
また、下痢や嘔吐でお医者さんにかかったときに医師にスポーツドリンクの摂取を勧められると、保護者がスポーツドリンクは水代わりにいくら与えても体に良い飲み物だと勘違いし子供も欲しがってしまうため、脱水が改善した後も積極的に与えるようになり、習慣化してしまいます。
【小・中・高校生などの場合】
色々なスポーツで運動し汗をかいた後、スポーツドリンクを飲む傾向にあります。
これがきっかけになり、スポーツドリンクのペットボトルを持ち歩いてだらだらと飲む習慣ができてしまうと、前述のように酸蝕症や虫歯の原因となります。
また、幼い頃からスポーツドリンクやジュースを飲む習慣ができてしまっていると、放課後に塾に通う場合などもそれらを買ってしまい電車に乗りながら・歩きながら何となく飲んでしまう習慣につながってしまいます。
それでは、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?
💡過激な運動や多量の汗をかいた時以外は、水を与える
💡スポーツドリンクを水の代わりに与えない(喉が渇いた時など)
💡下痢や嘔吐などで脱水状態のときは経口補水液を与え、症状が改善したら普通の水に戻す
💡スポーツドリンクやジュースのペットボトルを持ち歩く習慣や、食事の時に一緒に飲む習慣を付けないようにする
一度習慣化してしまうと、改善することはなかなか難しいです。乳幼児のころから、ジュースなどはあまり与えないようにすることが大切です!
スポーツドリンクが効果を発揮する場面はたくさんあるので、適切なタイミングで摂取するようにしましょう😄