メディア・取材 掲載
教えて!!ドクターQ&A【Vol.29】

Q.冷たいものがしみるので歯医者さんに行ったところ、歯ぎしりが原因で歯がすり減っていると言われました。原因と治療法について教えてください。
A.歯ぎしりは自分の体重の2~5倍の力が歯にかかると言われています。これだけの力がかかっていると歯の根元のエナメル質の薄い部分が欠けたり、歯に細かいひび割れが生じます。
エナメル質が欠けると象牙質が露出します。象牙質は象牙細管という管になっており、中の神経(歯髄)と交通しています。
象牙質に冷たいものや甘い物、歯ブラシなどの擦過が加わると刺激が象牙細管を通して歯髄に伝わり、しみるという症状(知覚過敏症)が起こります。
治療法には露出した象牙質部分に薬を塗布したり、コーティングして物理的に刺激を遮断する方法があります。しかし原因が除去されなければ、症状を繰り返します。歯ぎしりの治療にはマウスピースや生活習慣の改善などがあります。
食事の時以外は歯が当たらない状態(上下の歯が2~3mm離れている)が正常なので、歯が接触している場合には話すように意識します。
また睡眠の改善やボトックス(自費治療)によって筋肉の力を弱めることで過緊張をなくすことも有効です。夜間の歯ぎしりの強さなどは筋電計で計測してきちんと対応しましょう。
その方によって必要な治療法が違ってきますので、歯ぎしりを治療している歯科医院でご相談されることをお勧めいたします。